「なぜ、レバブル美術館にはかくも多くのイルカが描かれているのか？」
これは近頃、来館者諸氏より頻繁に寄せられる問いである。
結論から申し上げよう。
端的に申せば、それは偶然の産物である。
かつて私は、AIという現代の魔法装置に対し、
「祭り」「金銭」「イルカ」という単語を投げ込み、
その創造力を試したのである。
結果として生まれたのは、
紙幣が空を舞い、イルカが歓喜の笑みを浮かべる、
実に奔放な光景であった。
当初は戸惑いもしたが、やがて私は気づいた。
「これこそ、芸術の本質ではないか」と。
こうして我々は「ドルフィンナイト」という名を得た。
ドル（お金）、フィン（ヒレ）、ナイト（夜）。
人類の欲望と歓喜を象徴する一夜の祭典である。
もちろん、後付けの理屈であることは否めない。
だが、そもそも芸術とはしばしば後付けの解釈によって
その深みを増すものではないか。
かくして私は、今日も来館者に告げる。
「諸君、イルカは踊り、札束は舞う。
それがこの館の美学である」と。
──館長 オナルド・レバンチ