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評論|オナルド・レバンチによる記録
本作『最後のディスコ審判』は、「救済と享楽は両立しうるのか」という問いを静かに、時に滑稽に炙り出す傑作である。
画面中央、輝くミラーボールが光を放ち、聖人たちは喜びに満ちた舞踏を繰り広げる。
そこにあるのは、伝統的宗教画への皮肉と祝祭の肯定。 —つまり、裁きの場がいつの間にかダンスフロアへと化す、視覚の転倒である。
背景には、宙を舞うイルカとドル紙幣が漂う。
それらは単なる装飾ではなく、繁栄と自由の寓意として存在し、
画面にユーモアと甘美な超現実感を与えている。
鑑賞者は問わざるを得ないだろう。
「なぜ彼らは踊り、なぜイルカは祝福するのか」。
だが、館長は結論を急がない。
裁きと救いの境界を笑いと光が曖昧にし、
私たちに残されるのは、ただ問い続ける姿勢だけだ。
そう、「問い続けること」こそが、我々に残された最後の芸術なのである。
──館長 オナルド・レバンチ(Rebuble美術館)
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